「こどもの夏Kindersommer ・ 子どもまち診断士 Kinderjury」ミュンヘン市

子どもにやさしい人や場所を探し、表彰する、地域を元気にするプロジェクト

子どもにやさしい人や場所を探し、表彰する、地域を元気にするプロジェクト

「こどもの夏 Kindersommer」は2011年に開始したプロジェクトで、これまでミュンヘン市の3つの地域で実施されています。この「こどもの夏」は、子どもの参画プロジェクトに参加したことのないような子どもたちのために考えられたもので、とても簡単で前向きなものです。毎年1つの地域を対象として、子どもたちが「まちの良いところはどこなのか」という視点で地域の遊び場やお店等を調査し、最終的に「子どもにやさしい場所」と「子どもにやさしい大人」を選んで、表彰するというものです。

子どもにやさしい人や場所を探し、表彰する、地域を元気にするプロジェクト

「こどもの夏」は、大きく分けて4つのフェーズで構成されています。5月28日「世界あそびの日」(フェーズ1)にスタートして、6〜7月は「子ども地域探検隊」が地域の良いところを調査し(フェーズ2)します。子どもたちの中から選ばれた「子どもまち診断士 Kinderjury」によるさらなる現地調査やヒアリングを経て(フェーズ3)、9月20日「世界こどもの日」に子どもに優しい場所と大人を表彰します(フェーズ4)。この4か月間、「子ども地域探検隊」や「子どもまち診断士」の他に、学校、レクリエーション施設、家族などを巻き込んだ様々なアクション・キャンペーンが行われます。
調査では、子どもたちが地域の良いところを見つけるためのツールとして、「地域探検のためのワークブック」が配布されます。その中の「気に入っている場所、気に入らない場所シート」、「遊び場チェックシート」、「子どもにやさしい大人の診断シート」などを使って、子どもたちは自分の地域をリサーチしていきます。良い場所や大人が見つかったら、その写真と用紙を子どもの参画専門員事務局へ送ります。
その結果を、子どもの参画専門員が集計して優先順位を決めた後、更に場所や人を深く探索するのは、大人ではなく「子どもまち診断士」です。例えばインタビューしたり、実際に写真を撮りに行ったりして、本当にそこが良い場所なのか、子どもにやさしい人なのかを診断するのです。
「子どもまち診断士」が、本当にこの場所は子どもにやさしい場所、この人は本当に子どもにやさしい大人と判断したら、その選ばれた人たちを表彰します。「子どもにやさしい」と認定されると、認定証を掲出することができます!このように、「こどもの夏」は住んでいる地域をマイナスの目で見るのではなくて、プラスの目で見ていくとても楽しいプロジェクトです。

このプログラムのポイント

「子ども地域探検隊」と「子どもまち診断士」の2段階構成
このプログラムは、2段階構成で子どもにやさしい大人や場所を調査します。最初の「子ども地域探検隊」は、身近な地域で自分が良いと思う人や場所を探すものなので、まちづくりの初心者とも言える小さい子どもでも楽しむことができます。さらに、その結果を踏まえ、「子どもまち診断士」は、インタビュー等によりさらに詳しく調査し、なぜそこが子どもにやさしい場所なのか、なぜ子どもにやさしい人なのか、議論します。
子どもたちをその気にさせるグッズが充実
「子どもまち診断士」には、このプログラムのために特別に制作されたロゴマーク付きの楽しいグッズ(サンバイザー、バッジ、ワークブックなど)が用意されており、さらに「子どもまち診断士」には証明書が交付されるなど、子どもたちの専門家気分を盛り上げます。
子どもたちの活動が地域を元気にする
こどもの夏のフィナーレには、子どもたちが選出した子どもにやさしい場所や人を表彰するセレモニーがあり、子どもたちの活動と地域のボジティブな話題が発信されます。さらに、選ばれた場所や人には、オリジナルの認定ステッカーが授与されるので、例えば、このステッカーを店先に掲示すると地域で評判になり、マスメディアにも注目されます。このように、子どもたちの活動が地域とつながり、地域を活気づけているところがユニークでおもしろいプログラムです。